マーケ担当者の採用と外注、5つの基準で選ぶ

「採用か、外注か。」マーケ部門を持つ会社であれば、一度は突き当たる問いです。採用予算はある。でも採用活動を始めてみると、候補者がなかなか集まらない。面談を重ねても、求めるスキルセットに合う人が見つからない。そのあいだにも、現場の仕事は積み上がっていく。

結局「外注でつないだほうがいいのか」という話になりますが、「外注すると社内にノウハウが残らない」「コストが高い」という不安もある。どちらが正解かを決められないまま、時間だけが過ぎていく——そんな経験をしている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「採用か外注か」という問いを5つの基準に分解し、自社の状況に合った判断ができるよう整理します。

なぜ「採用か外注か」で迷うのか

迷いが生まれる背景には、採用と外注の比較を「コスト」だけで考えようとすることがあります。しかし実際には、コスト以外の要素——スピード、期間、専門性、社内の関与度——が判断に大きく影響します。

また、「採用=社内リソース=良いもの」「外注=コストセンター」という先入観も、判断を複雑にしている要因です。この先入観を一度脇に置いて、5つの基準で整理してみましょう。

基準① スピード ── いつまでに動かしたいか

採用のプロセスには、一般的に3〜6ヶ月かかります。求人票の作成・公開、応募者の選考、内定、入社までの時間を合計すると、「今すぐ」というわけにはいきません。

一方、外注(業務委託)は、契約締結から稼働まで早ければ2〜4週間で動き始められます。

判断の目安:

  • 「今から3ヶ月以内に動かしたい」→ まず外注を検討する
  • 「半年〜1年後を見越して体制をつくりたい」→ 採用を並行して進める

基準② 期間 ── 何ヶ月・何年のつきあいを想定するか

プロジェクト型の仕事(キャンペーン、リニューアル、特定期間の運用強化)であれば、外注の方が柔軟に対応できます。終了時に契約を切ることができるからです。

一方、「マーケ機能をずっと社内で持ちたい」「5年後には自走できる組織にしたい」という長期的な観点がある場合は、採用が向いています。

ただし、「まず外注で動かしながら、採用を進める」という順序も現実的です。採用が決まるまでの空白期間を外注で埋め、採用後にナレッジ移転するパターンは、多くの現場で機能しています。

基準③ 専門性 ── どこまでのスキルと経験が必要か

外注で調達しやすいスキルは、デジタル広告の運用、SNS運用、コンテンツ制作、MAツールの設定・管理などです。これらは比較的汎用性が高く、優秀な外部人材を見つけやすい領域です。

一方で、採用が向いているのは、自社ブランドの深い理解が必要な役割です。競合他社との違い、過去の失敗から学んだ判断基準、社内の意思決定ルート——これらは時間をかけて蓄積されるもので、外部の人間が短期間で習得するのは難しい。長期的に社内の意思決定に関わる役割は、採用の方が適しています。

基準④ コスト ── 予算は固定費か、変動費か

採用の「本当のコスト」は、年収だけではありません。採用活動にかかる費用(求人媒体・エージェント手数料)、入社後の教育コスト、福利厚生、社会保険料を合計すると、年収の1.3〜1.5倍程度が実コストといわれています。

業務委託費は、支払った分だけが費用です。固定費が増えることを避けたい成長期の企業、または予算の変動が大きい事業では、変動費として扱える外注の方がコントロールしやすい場合があります。

一方、同じ人材に長期間お願いし続けるなら、採用に切り替えた方がコスト効率が良くなることもあります。

基準⑤ 関与度 ── 社内でどれだけ管理できるか

「外注は丸投げできる」と思われがちですが、実際は違います。外部の人材が成果を出すためには、方向性の共有、素材・情報の提供、フィードバック、意思決定——これらを社内側がきちんと担う必要があります。

管理コストをゼロにすることはできません。社内のリソースが非常に逼迫している状態で外注を始めると、「外注したのに手間が増えた」という状態になりやすい。

この問題を緩和するのが、常駐型・準委任型の外注です。フリーランスに個別タスクを依頼するのではなく、チームとして社内に入り込むタイプの支援であれば、管理コストを大幅に下げられます。

5つの基準をまとめると

基準 外注が向いているケース 採用が向いているケース
スピード 3ヶ月以内に動かしたい 半年以上かけて体制をつくれる
期間 プロジェクト型・短〜中期 長期・組織への定着が前提
専門性 汎用スキルで対応できる業務 社内文化・ブランド理解が深く必要
コスト 変動費で持ちたい 長期的に固定費として安定させたい
関与度 常駐型など管理負荷が低い形式で動ける 社内管理をしっかりできる余裕がある

どちらが「正解」ではなく、自社の状況によって最適解は変わります。また、採用と外注を組み合わせる選択肢も、現実的な方法のひとつです。

よくある質問

採用と外注(業務委託)の最大の違いは何ですか?
最大の違いは「雇用関係の有無」です。採用では従業員として雇用契約を結ぶため、指揮命令権が発生し、業務を幅広く依頼できます。外注(業務委託)は対等な契約関係であり、委託した業務の範囲内での成果・作業に対して報酬を支払います。社会保険や給与設計の義務は生じません。
マーケ担当者の採用にはどのくらい時間がかかりますか?
一般的に、求人開始から入社まで3〜6ヶ月かかることが多いです。転職市場の状況や求めるスキルの希少性によっては、それ以上かかる場合もあります。採用エージェントを活用しても、面談・選考・内定・退職交渉・入社準備のプロセスには一定の時間が必要です。
外注すると社内にノウハウが蓄積されないのでは?
外注の形式によって異なります。単発のタスクを依頼するだけでは確かにノウハウは残りにくい。しかし、常駐型・準委任型の支援であれば、担当者が社内のコミュニケーションツールや会議に参加しながら業務を進めるため、プロセスや判断基準が自然に社内に蓄積されます。契約終了時のナレッジ移転をあらかじめ合意しておくことも有効です。
どんな状況のときに外注を選ぶべきですか?
「すぐに動かしたい」「採用が決まるまでの期間をつなぎたい」「プロジェクト単位で特定スキルが必要」「固定費を増やしたくない」といった状況に向いています。特に採用活動と並行して業務を前に進めたい場合、外注は現実的な選択肢です。
採用が向いている企業・状況の特徴は何ですか?
自社ブランドや商品の深い理解が必要な役割、長期的に組織文化を担ってほしいポジション、社内の意思決定に日常的に関わる役割には、採用が向いています。また、採用コストをかけてでも内製化したい、外部依存を減らしたいという経営判断がある場合も採用が適しています。
採用と外注を同時に使うことはできますか?
できます。多くの企業が「採用活動を進めながら、決まるまでは外注でつなぐ」という使い方をしています。採用が決まった後に外注から内製にスムーズに移行するためには、業務の引き継ぎと記録を意識した外注体制を最初から設計することが大切です。
マーケ支援の外注先を選ぶときに見るべきポイントは?
主に3つのポイントがあります。①業務の透明性(何をどう進めているかが見える)、②常駐・準委任型か否か(指示系統と管理コストに影響する)、③契約の柔軟性(業務範囲の調整や終了時のナレッジ移転が可能か)。単価の安さだけで選ぶと、管理コストや品質のばらつきで総コストが上がるリスクがあります。

まとめ

「採用か外注か」という問いに、唯一の正解はありません。スピード・期間・専門性・コスト・関与度の5つの基準で自社の状況を整理することで、今どちらが合っているかが見えてきます。

採用が決まるまでの期間を外注でつなぎたい、まず外注で動かしてみたいという方は、デリバラスにご相談ください。準委任型のオペレーション支援として、マーケ部門に入り込みながら業務を前に進めます。

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